【備忘録】ゲームを発想するということ

 

こんにちは、かせです。

 

最近は技術的なことは枯れた概念しかやっておらず、特に発信できることがないのでブログは止まりがちでごめんなさい。

 

色々な方と話をしてなんとなくゲームのコンセプトの決め方に2つのパターンがあるなあと思っていたのですが、やっと言語化できそうなのでさらっと書き留めておこうと思った次第です。

どっちもやってる人もいましたので一概には言い切れませんが、それぞれにメリットやデメリットが存在すると思うので上手くブレンドするといいなと思っています。

 

模倣と改善

8割の方がこちらでコンセプトを決めている気がします。

これは「既存のゲームデザインを模倣し、デザイン上の問題を目的に応じて改善しより昇華する」というものです。

〜フォロワーというような言われ方をするゲームは、出発点はほぼここになっているのかなと思います。

これは成功すればプレイヤーに受け入れられやすく、しかしぱっと見の目新しさなどは生み出しづらいものだと思っています。

 

生み出しづらい、です。生み出せないとは言っていませんよ。

 

人間的な衝動のデフォルメ

残り2割くらいの方がこちらです。個人的な印象では、ヨコ○タ○ウさんはこのデザインがとても上手だと思います。

これは「人間の感情の起伏を刺激する概念、事象をデフォルメしゲームに落とし込む」というものです。

結構最近のゲームはこれは普通のゲームですよ〜という皮を被りながらこういう感情のデザインを奇抜にやってくる印象です。油断なりません。

 

広く普及したゲームのデザインの一部を解剖してみる

最近の普遍的な代表例で言えば、ダークソウルやPUBGですよねきっと。

なのでその2つのゲームを上記に当てはめてみたいなと思います。

 

ダークソウル

死にゲー、というだけでは別にスペランカーでも良いのですが。ダークソウルは「ソーシャルな死亡」をデザインしたゲームだと思います。

血痕を調べると他のプレイヤーがどこでどのように死んだかがわかります。また、白霊として他のプレイヤーが死亡しないように手助けをしたり、赤霊として他のプレイヤーを死亡させることがゲームの本質的なデザインです。

 

他の人が死ぬところを見たいって思ったことはありますか?僕はあります。

だって見たことないですから。好奇心が湧きませんか?

 

その度に少し仄暗い感情が芽生えるのですが、それをデフォルメして落とし込んだコンセプトが「ソーシャルな死亡」です。

ダークソウルは「人間的な衝動のデフォルメ」を出発点として、既存の3Dゲームに落とし込んだゲームだと思っています。

 

PUBG

PUBGは圧倒的に「模倣と改善」に成功したゲームです。

既存のFPSゲームはいわゆるチーム戦や個人戦が普遍的でしたが、そのどれもが負けると超絶ムカつくんですよね。

 

CoDシリーズを300時間くらいプレイしていたのですが、とにかく負けると腹が立つんですよ。

なぜかってゲームの目標が勝つことであり、全体のプレイヤーの総合勝率は必ず勝ちと負けが半々だからです。

 

勝って負けて勝って負けて勝って負けて・・・ってなればいいんです、でもならないんですよね。

上手い人が勝って勝って勝って勝って・・・下手な人は負けて負けて負けて負けて・・・です。

そして負けた原因は「自分の腕前」あるいは「他のプレイヤーの腕前」にいきがちです。

 

これをPUBGは改善しています、バトルロイヤル形式で100人中1人しか勝てない。

つまり負けることが普通で、勝ったらとてつもなく嬉しいんです。

負けることが普通ってゲームデザインが革命で、100人バトルロイヤルでは全体のプレイヤーの勝率は勝ちと負けが1:99なんです。

 

ユーザーのストレスを著しく軽減している、これは「模倣と改善」の成功です。

 

と思って書いていたんですが、ずっと昔に僕がシャドウバースでボコボコにされたちょもすさんが似たような記事をあげていました。

chomosh.hatenablog.com

 

向こうは僕のことは覚えてもいないでしょうが、それこそが上記の記事で言われている不特定性の表れなのでちょっと笑顔になりました。

 

ゲームを発想するということ

ゲームの発想をパターン化して言語化してみましたが、別にこれに限らずカイヨワの遊びがどうちゃらとか色々ありますね。

 

個人的には理論があれば道は間違えづらいとは思うので勉強するべきだと思いますが、「人間的な感情をデフォルメし、他人の感情をデザインし、デザイン上の問題を解決することでゲームデザインがより昇華される」という一連の文化的なプロセスが途切れないようにすることだけは意識したいですね。

 

これこそが文化を生み出して紡ぐクリエイティブな人種のあるべき姿だと思っています。

 

 

ポエムでした、おしまい。